第43回日本神経治療学会学術集会
会長 平野 照之
杏林大学医学部 脳卒中医学・神経内科学 教授
この度、第43回日本神経治療学会学術集会を、2025年11月6日(木)から8日(土)までの3日間、熊本市の熊本城ホールにて開催させていただくことになりました。本学会は、種々の神経疾患に対する優れた治療法の確立を会是とし、40年以上の歴史を刻んできました。脳卒中、頭痛、てんかんといったよく経験する疾患から、神経変性疾患・神経免疫疾患、代謝性疾患などの希少疾病まで、幅広い分野を対象としています。診断できても治らないと揶揄されていた時代は終わり、いまや神経疾患の多くが治る病気に変わってきています。
このような経緯から、今回のテーマは「神経治療 守破離」といたしました。「守破離」は、日本の伝統文化に根付く考え方であり、師や型を守る「守」、そこから新しい発想を試みる「破」、そして独自の道を切り拓く「離」という段階を示しています。神経治療学もまた、基盤となる知識や技術を忠実に学び、それを基に新たな挑戦を行い、最終的には独自の発展を遂げるべき学問分野です。本テーマを通じ、学問や臨床の進化の原点に立ち返りながら、未来への可能性を探る場にしたいと考えております。
学術プログラムは「守破離」を具現化する構成にいたします。基盤となる知識を「守」るため、マラソンレクチャーでは最前線の知見とそこに至るまでの経緯の温故知新。シンポジウムや公募セッションでは、新たな発展を模索した「破」の精神の共有。さらに未来に向けた独自の「離」を築くための特別講演やシンポジウムは、産官学の協同研究活動や創薬を通じた神経治療の萌芽。これらを体感していただけるよう企画をすすめてまいります。
私ごとで恐縮ですが、熊本は生まれ故郷であり、また神経学を志す原点となった土地でもあります。この地で学び、多くの先輩や仲間からの支えがあって今日の自分があると感じております。熊本での開催は、私の師である 内野 誠 先生が2009年に会長を務められた学術集会以来、2回目です。内野先生には、神経治療学の基礎と応用、そしてその奥深さを教えていただきました。この地で開催できることを、大変光栄に思っております。会場の熊本城ホールは、復興を象徴する熊本城の近くに位置し、熊本の文化や歴史を体感できる特別な場所です。学術的な交流だけでなく、ぜひ熊本の魅力もお楽しみいただければ幸いです。
多くの皆様方のご参加をお待ちしております。
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